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[No.097:栄養豊富な「スプラウト」]


 「スプラウト」とは、植物の種や豆を発芽させた新芽の総称。いわば、赤ちゃん野菜のことです。見た目はかいわれ大根のようですが、大きくなって食べ頃になった野菜よりも、栄養価ははるかに高いのです。

 植物は発芽するときに最も生長するといわれています。種子は水や光、湿度などの条件が揃い、種子の水分含有量が5〜6倍に増えると、細胞自らが膨らみ、杯は植物ホルモンの働きで生長し、種子に蓄えた栄養を使って新芽が出ます。ちょうど新芽が出て、最初の葉が出るころに、種子のときにはなかったビタミンなどの栄養素を自ら合成して作り出します。

 植物の種子と新芽を比べると、ビタミンB2は約65%、ビタミンEは約116%も増加することが明らかになっています。その他にタンパク質や酵素類も増加し、カルシウムや鉄分、ミネラル成分も量と種類が豊富になるのです。

 スプラウトが注目される理由は、栄養の豊富さはもちろん、ガン予防効果もあるからです。ブロッコリーをはじめ、キャベツ、カリフラワー、かいわれ大根などのアブラナ科の野菜にだけ含まれるグルコシノレートという辛み成分は、よく噛んで食べることによって、スルフォラファンという成分に変わります。このスルフォラファンには、発ガン物質を解毒化する酵素の働きを活性化し、発ガン物質を無毒化する働きがあります。

 ブロッコリーに含まれるスルフォラファンの解毒酵素活性能力は、生長過程によって変化しますが、アメリカ国立がん研究所(NCI)の研究によると、ブロッコリーの新芽、特に発芽3日目のものには、成熟ブロッコリーの20〜50倍の解毒酵素活性能力があることされています。つまり、ブロッコリーのガン予防効果を確実にするために、成熟したブロッコリーなら1kg食べる必要があるところを、スプラウトなら50gですんでしまうのです。

 また、ブロッコリーには、ケルセチン、グルタチオン、インドールといった栄養素も含まれています。これらの成分はベータカロチンやビタミンCとともに、ガンの要因になる活性酸素抑え込む働きがあるといわれています。ビタミンCもレモンやピーマンの2倍、トマトの8倍と大変豊富なのです。

 アメリカではスプラウトにガン抑制効果があることでブームになり、すでに定着し、サラダなどの材料として一般に使われています。また、スイス、ドイツ、北欧諸国では、ビタミン剤や栄養剤に替わって、新芽や若芽を食べて必要な栄養分を摂ることが普及しています。最近日本でも定着しつつあり、スーパーなどでもよく見かけるようになりました。

 スプラウトは、どんな料理にでも手軽に利用でき、カロリーが低くダイエット食としても人気があります。また、水耕栽培すると無農薬で自分で栽培できるため安全性も高く、食べる直前に収穫できるのでビタミンが流れ出すことが少ないということも、健康に敏感な人の共感を得たのでしょう。

 たくさんの量を食べなくても効率よく栄養摂取できるスプラウト。ぜひ、日常の食卓に加えてみてください。

---2002.3.16 (c) Mica Okamoto ---

 

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