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[No.110 : ドクハラに負けないで!]


 医師からの心ない暴言や悪態などで傷ついたことのある人はいませんか?
 患者に心の傷を残すような医者などの暴言、態度、雰囲気などを『ドクターハラスメント(ドクハラ)』と呼びます。この言葉は、元癌研究会付属病院の外科医だった土屋繁裕さんが命名したもので、土屋さんはドクハラの実例集づくりに取り組んでいます。

 今まで寄せられた事例によると、『ドクハラ』は7つの分類に分けられるそうです。

ドクハラ医師の種類
1.【脅し型】  強引に治療に従わせる。
▼「急いで手術をしないと治らないよ」
▼婦人科で患者は生理中で診察を伸ばしてほしいのに、「生理中だって診察できるんだよ。もし、症状がひどくなっても知らないからね」
▼QOLを訴え抗ガン剤を拒否した患者に「死んだらQOLもなにもないでしょう」
▼「このまま退院したら半年でがんは再発するよ」
2.【告知型】  患者やその家族を絶望に追い込む。
▼「どうせ助からないんだから無駄なことはしない」

3.【エゴ型】  患者の治療や回復よりも病院の利益を優先する。
▼「急いで手術をしないと治らないよ」
▼患者は生理中で診察を伸ばしてほしいのに、「生理中だって診察できるんだよ。もし、症状がひどくなっても知らないからね」
▼QOLを訴え抗ガン剤を拒否した患者に「死んだらQOLもなにもないでしょう」

4.【人間失格型】  人間として許せないと思わせるほど、患者の心を傷つける。
▼手術後の若い女性に対し「こんな身体じゃお嫁にいけないね」
▼大腸の検査の後、患者が質問しようとしたら、医者は、「そんな顔をしているから病気を作るんだよ。あんたと友達になりたいわけじゃないんだから、いちいちおれが聞かないことを言わなくいいんだよ。うつが入っているな。あんたみたいのが宗教にはまるんだよ」

5.【セクハラ型】  産婦人科などで女性を傷つける。
▼乳ガンの触診で「あんた胸大きいね」
▼「もう年なんだから子宮なんていらないでしょ」
▼「遊んでいるからこんな病気になるんだよ」

6.【ミスマッチ型】  患者の状況を理解せずにちぐはぐな言動。
▼患者は痛みで涙を流してるのに「なにか悲しいことがあったの?話してごらん。相談にのってあげるから」

7.【子どもへのドクハラ型】  子どもの治療時に親に向かって行う。
▼「こんな病気にしたのはお母さんのせいだからね」
▼「こんなに子どもを太らせちゃって。まるでブタだね」

 

 このなかで最も多いのが【脅し型】だそうです。

 体験談を集めた土屋医師によると、『ドクハラ』のせいで一生忘れられない心の傷を負った患者さんはとても多いのに、その大半は泣き寝入りする場合がほとんどだそうです。

 医療サービスという言葉が定着しつつありますが、医療現場ではサービスという精神で働いている人よりも、専門知識を持った特権階級という意識で従事している人のほうがまだ多いのではないでしょうか。若くして先生と持ち上げられる環境が医師をそうさせているのかもしれません。

 しかし、患者は身体の不調で病院にきているのですから、精神的にも弱い立場に追い込まれています。どんな病気なのか、治るのかどうかなどの不安を抱え、誰にも相談できずに悩んでいる人もいます。

 そんな患者に対する心ない医師の暴言や態度が、どれほど患者を傷つけているか、もっと医師や医療従事者にわかってほしいと願うばかりです。しかし、医師たちは無意識に患者を傷つけている場合もあり、患者が声を上げないと、気づかない場合も多いといいます。

   土屋医師は、「ドクハラ医師を見抜くチェックポイント」を2003年6月に発行した著書『ストップザドクハラ』(扶桑社刊)で下記のようにあげています。

  
ドクハラ医師を見抜くチェックポイント
(1)  あいさつをするか
(2)  威張らないか
(3)  患者から目をそらさないか
(4)  怒らないか
(5)  治療を急がないか、薬が多くないか
(6)  知ったかぶりをしないか
(7)  専門用語を羅列しないか
(8)  手術や治療の自慢話をしないか
(9)  恩着せがましくないか
(10)  説明なしに検査をしないか
  

 これらのポイントで医師を選び、もし納得できない場合は、医師に対して『ドクハラです』と声を上げることが第一歩です。そうしないと、いつまでたっても、医師は無意識のうちに患者を傷つけていることに気づかずに、同じ行為を繰り返します。患者中心の医療を増やすためにも、患者が声を上げることが重要です。

【参考】
日本経済新聞7月26日

【参考著書】
「ストップ ザ ドクハラ」(扶桑社)
「ドクターハラスメント」(扶桑社)

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 土屋繁裕先生は、平成17年10月8日享年49歳にて急逝なさいました。心よりお悔やみ申し上げます。

 16年間のがん外科医時代は手術至上主義に徹し、平成12年7月には、がん治療のセカンドオピニオンを専門に行う「キャンサーフリートピア」を設立。「ドクターハラスメント=ドクハラ」生みの親として、がんのセカンドオピニオン、外科医、執筆・講演活動と、精力的に活動をされているさ中、くも膜下出血に倒れられました。意志半ばにしての急逝、ご冥福をお祈り申し上げます。(2005.10.15)

---2003.8.6 (c) Mica Okamoto ---

 

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