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[No.119 : 長寿のための魚]


 秋といえばサンマの季節。今年はサンマが豊漁で値段が下がっているそうです。脂ののった旬のサンマは、たくさん食べたいものです。

 昔は白身の魚のほうが上品で高級、脂の多い青魚は下品であまり体によくない、などといわれていましたが、今は魚に含まれる脂は健康によいといわれるようになりました。

血栓を防ぐDHA・動脈硬化を防ぐEPA

 サバやイワシ、サンマなどの青魚には、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)が多く含まれます。これらは、多価不飽和脂肪酸の一種で、血小板凝集による血栓症を防ぐ作用、血中のコレステロールや中性脂肪を減らす作用があります。EPAは、動脈硬化や高脂血症の治療薬としても使われています。

 北極園に住む狩猟民族イヌイットの人たちには、脳血栓や心筋梗塞が極端に少ないのはEPA、DHAのおかげであることが明らかになっています。極寒の地で畑作などは不可能なので野菜を食べる機会はほとんどなく、寒さなどの厳しい自然環境での狩猟生活は体に負担がかかるはずです。それにも関わらず、動脈硬化に伴う疾患が少ないのは、魚やアザラシなどを主食にしていて、魚の脂を摂っているからだといわれています。

 EPAは、養殖ハマチ、イワシ、マグロ(トロ)、サバの順に、DHAは、マグロ(トロ)、養殖マダイ、ブリ、サバ、養殖ハマチの順に多く含まれています。魚の脂肪はひじょうに酸化されやすいので、鮮度の高いものを選ぶことが大切です。また、EPA、DHAを多く含む魚の脂を取るには、鍋やムニエルなどの調理方法が適しています。

うつを予防する

 魚を食べると、脳機能の低下や抑うつ症状を予防するという報告もあります。
 45歳〜70歳までの1613人を対象にしたオランダでの調査では、魚を多く食べる人はそうでない人に比べて、脳機能が低下するリスクは19%、敏捷性が低下するリスクは28%も少なくなっていたという結果が報告されています。

 40歳〜79歳の人を対象に心理テストを実施し、「抑うつがない」とした人を2年後再調査し、同時に栄養摂取量も調べ、魚の脂肪摂取と抑うつとの関連を調べた調査(国立長寿医療センター)では、魚からの脂肪摂取量が1日平均2.6g増えるごとに、2年後に抑うつ傾向になるリスクが3分の1に減少していました。

 また、魚の脂肪を1日4.8g以上とっている人は、それ以下の人に比べて、抑うつの程度が低いこともわかりました。

魚の脂肪の摂取の目安は?

 魚の脂肪を1日4.8g摂るには、どれくらいの量の魚を食べればよいのかというと、サバなら30g、アジなら70g程度で大丈夫です。それほど、大量ではないので、病気予防や長寿のために毎日の食卓でなんらかの形で魚料理を食べてみてはいかがでしょうか。


【EPA、DHAを多く含む魚】

魚名 100g中に含まれる量(mg)
EPA DHA 合計
マグロトロ 1288 2877 4165
養殖ハマチ 1545 1728 3273
サバ 1214 1781 2995
養殖マダイ 1085 1830 2915
ブリ 899 1785 2684
イワシ 1381 1136 2517
サンマ 844 1398 2242
ウナギ 742 1332 2074
ハモ 509 1508 2017
タカベ 612 1305 1917
ニシン 989 862 1851
サワラ 480 1189 1669
イボダイ 371 1018 1389
サケ 492 820 1312
アジ 408 748 1156
ニジマス 238 845 1083
※日本食品脂溶性成分表(科学技術庁資源調査会編)より

---2005.10.8 (c) Mica Okamoto ---

 

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