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[No.006:脳を活性化させるDHA]


 「頭が良くなる」「ボケを予防する」ということで話題となっているDHA(ドコサヘキサエン酸)。最近では、学校給食のパンに練り込んだり、ジュースなどにも入れられて、その健脳効果に期待がよせられています。

■DHAとは?

 カツオやマグロ、イワシなどの青身の魚に豊富に含まれる脂肪酸のこと。人間のすべての細胞(細胞膜)に存在し、特に目(網膜)と脳に多く含まれています。(一般の細胞と比べて網膜には約50倍、脳には約25〜50倍含有)

 妊娠するとDHAは胎盤へ集中し、脳を第一優先として胎児の全身に運ばれていきます。出産後は母乳を通じてDHAが乳児に移行します。このため、乳児用の粉ミルクにはDHAが入っています。

 諸外国の母乳に含まれるDHAの量を測っててみると、母乳100ml当たり平均してアメリカ人の場合7mg、オーストラリア人の場合10mg、日本人の場合は22mg程DHAが含まれています。魚をよく食べる日本人には、圧倒的に多くのDHAが含まれているわけです。

 しかし、食生活が欧米化し、魚の摂取量が減ってきた現在、これからお母さんになる人たちの母乳にはDHAの含有量はアメリカ人に近い数値になると予測されています。

■DHAの主な働き

 頭がよくなる働きが有名ですが、他にも身体に有効なたくさんの働きがあります。

● 脳細胞を活性化する。

情報は脳内でシナプスという接合部分を通って運ばれますが、DHAは情報伝達に必要不可欠なこの接合部分のシナプスの原料となり脳細胞を活性化します。学校給食のパンにDHAを入れてから子どもたちの成績が上がったり、特別養護老人ホームの入居者にDHAオイルを6ヶ月間食べ続けてもらったら、6割近くの人の老人性痴呆が軽くなったなど、健脳効果を実証するたくさんの報告が出されています。

● 視神経の細胞活性を高める。

 網膜に映った映像を判断する能力を向上させる働きがあります。視力1.0以下の人がDHA入りのパンを1ヶ月間継続して摂取したら約4割の人が視力が向上したという報告もあります。

● 攻撃性を抑える。

 抗ストレス作用があるため、攻撃性を抑制し、キレるのを防ぎます。魚の消費量が多い地方にはうつ病患者が少ないという調査結果や、ストレスが原因の失読症の児童にDHAを投与すると、読み書きの力がアップするというデータも報告されています。

● 血液をサラサラにする。

 悪玉コレステロールや中性脂肪を減少させると同時に、血管の掃除役である善玉コレステロールを増やす働きがあります。このため血液をサラサラにし、高脂血症、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞などを予防します。

● アレルギーを予防する。

 アレルギーの原因物質であるプロスタグランジンの量を減らします。この結果、かゆみや湿疹などのアレルギー反応を抑えます。近年、増えているアトピー性皮膚炎は、魚の摂取不足も原因のひとつと言われています。

■どのくらいとればいいの?

 DHAの1日必要量は、0.5g〜1g 程度です。イワシなら1〜2尾、マグロの中トロ刺身なら4切れくらいの量です。

 幼児はアレルギー予防のため、小中高生は成績向上やキレを防止するため、パソコンユーザーの方は視力の回復のため、高齢者の方はボケや心筋梗塞の予防のために、定期的に青身魚を食べてDHAを十分に補給しましょう。

---2001.2.3 (c) 2001 by Mari Wakasugi ---

 

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