[No.027:暑い時には辛いカプサイシンでパワーアップ!]
暑い日が続き、食欲がない人も多いことでしょう。しかし、暑い時こそしっかりに食べて、身体を元気にする必要があります。そんな時には、食欲増進作用のあるカプサイシンを含む唐辛子料理がおすすめです。カプサイシンには脂肪分解作用もあるので肥満が気になる方も安心です。
▼カプサイシンとは?
カプサイシンとは唐辛子に含まれる辛み成分の一種です。唐辛子の辛み成分のおよそ9割はカプサイシン類です。辛み成分の含有量は唐辛子の品種により差があり、鷹の爪などの小さい果実の品種ほど多く、カプサイシンの効果が期待できます。
▼カプサイシンの効用
カプサイシンの辛みは、舌や胃を刺激し食欲を増進させる作用があります。
また、カプサイシンは摂取後すみやかに吸収され、中枢神経を刺激し、副腎皮質からアドレナリンなどのホルモンの分泌を促します。その結果、エネルギー代謝が盛んになり体内に蓄えられているグリコーゲンや脂肪の分解が促進されます。唐辛子を食べた後、身体が熱くなったり、汗が出るのはこのためで、運動した時と同じように熱エネルギーが発生し、体外に放出されるからです。
このようにエネルギー代謝が促進されるため、体内に蓄積された疲労物質も分解されやすくなり疲労回復にも役立ちます。
暑い時期に、予想外に多いのが冷房による身体の冷え。カプサイシンには保温作用もあるため冷房による冷えに悩む女性にもおすすめです。
カプサイシンの殺菌作用や防腐作用は古来から知られており、ご存知の方も多いことでしょう。唐辛子を使った代表的な食品のキムチは、この防腐作用を利用して生まれたものです。
さらに、最近の研究では、カプサイシンを摂取すると、毛細血管が収縮し心臓の働きがよくなったり、白血球の活性を活発にして免疫力をアップさせる効果もあることがわかりました。
▼カプサイシンの摂取方法
カプサイシンを摂るためには、唐辛子を摂取すればいいわけですが、脂肪燃焼効果を期待しすぎて、食べ過ぎるのはよくありません。
激辛料理を食べた後で舌の検査をしてみると、味覚に対する反応が著しく低下することがわかっています。極端に辛い物を食べ続けると、味を感じる舌の味蕾がマヒし、味覚障害を招く恐れもあり、濃い味つけにしないと物足りないようになってしまいます。
また、さらに大量に摂り続けると、体内でカプサイシンの分解能力が高まり、脂肪燃焼効果が低くなってきたり、胃壁を荒らす可能性もあるため要注意。とくに、胃腸の弱い方や痔の方は控えめにしましょう。
粉末の唐辛子や鷹の爪を刻んで薬味や香辛料として用いたり、豆板醤、コチュジャン、タバスコ、ラー油などの唐辛子入りの調味料を少量上手に利用しカプサイシンを摂るのが一番いい摂取方法です。
1回に使う量は、粉末唐辛子なら小さじ1/4杯、鷹の爪なら1本、豆板醤などの唐辛子入り調味料なら小さじ1杯程度が適量です。
高血圧の人やダイエット中の人は塩分を控えることも大事ですが、カプサイシンを上手に使うと塩分摂取量を減らすことができます。カプサイシンには、塩加減を強く感じさせる働きがあり、塩分を控えた料理でも濃厚な味に感じられるからです。最大で3割程度の塩分を減らすことができます。
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このように、カプサイシンの入った唐辛子料理は夏におすすめです。辛いものが苦手な人は、冷まして食べたり、冷たいお茶や牛乳を飲みながら食べるなど一工夫してください。辛みが和らぎ、おいしく食べられます。このような摂り方をしても、カプサイシンの効果は同じなのでご安心を!
※カプサイシンについては、こちらもご参考に!
▼体脂肪を燃やすトウガラシ
---2002.8.6 (c) Mari Wakasugi ---
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