[No.028:胃腸が疲れ気味のときにはナイアシン!]
暑い夏に、冷たいものを飲み過ぎたりバテてしまって胃腸の調子が悪い方も多いことでしょう。そんな時は、胃腸の調子を整えるナイアシンの摂取をおすすめします。
▼ナイアシンとは?
水溶性ビタミンの一種で、ニコチン酸とニコチン酸アミドの2つを総称してナイアシンと呼びます。体内では、トリプトファンから生成されます。トリプトファン60mgmgから1mgのナイアシンが作られます。
▼ナイアシンの主な効用
消化器系の調子を整え丈夫にする働きがあります。このため、ナイアシンをきちんと摂らないと、胃腸障害や下痢などを起こしやすくなります。
皮膚や粘膜を正常に保ち、皮膚炎、舌炎、口内炎、口角炎、口舌炎(舌のつぶつぶがなくなる)を予防する作用もあります。
脳神経の働きを助け、錯乱、不眠、無気力、神経痛、偏頭痛などを予防します。
炭水化物、脂肪、アルコールなどが代謝されエネルギーに変換される時の補酵素としても働きます。このため、中性脂肪やコレステロールの低下作用が認められ、ナイアシンを摂取してお酒を飲むと二日酔いになりづらいという報告もあります。
ナイアシンの摂取不足による代表的な疾患はペラグラという皮膚病です。ペラグラは、皮膚がカサカサに乾いて炎症を起こし、日焼けの後の様な黒ずみが現れ、消化器障害、精神神経障害をともなう恐ろしい病気で、ひどくなると痴呆をきたします。顔、首、手など衣類から露出している部分の皮膚に紅班が見られるので自分自身でも簡単にペラグラを発見することができます。
▼ナイアシンの摂取方法
かつお、さば、ぶり、いわし、レバー、鶏ささみ、まぐろ、シラス干し、たらこ、豆類などに豊富に含まれています。
所要量は、成人男性で16〜17mg、成人女性で13〜14mgです。
かつおなら刺身で1人前(約120g)、さばやぶりなら各2切れ(約150g)ほどで1日に必要な量を摂ることができます。
ナイアシンは、食事で摂る場合は過剰症の心配はありません。ただし、サプリメントを利用する場合、1度に100mg以上摂ると、皮膚が赤くなりヒリヒリしたりかゆくなる可能性がありますので、パッケージ等に記載されているおすすめ量をしっかり守り、摂りすぎないように注意してください。
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ナイアシンは、アルコールをたくさん飲む人に特に不足しやすい栄養素です。
夏にビールや冷酒をたくさん飲んで、胃腸が疲れ気味の人は、ナイアシンの積
極的な摂取を心がけましょう。
---2002.9.5 (c) Mari Wakasugi ---
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