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「子供の生活15年変化」調査レポート  から

10.01.2012 · Posted in view, 子ども

「子供の生活15年変化」調査レポート
2000年前後に生まれた「アラウンド・ゼロ世代」を追う。
http://seikatsusoken.jp/pdf/news/news275.pdf

博報堂生活総合研究所が、今年2012年に小学4年生〜中学2年生対象の「子供調査」を行った。

この年代の子どもたちの成長過程に、下記の大きな出来事がある。親の世代でもこれほど大きな出来事を経験していないことを考えると、子どもだけでなく、家族や周囲の人間に対しても、これらの影響はとても大きい。

・ 2008年 リーマンショック
・ 2009年 民主党への政権交代
・ 2010年 GDPで日本が中国に抜かれ、世界第三位へ
・ 2011年 東日本大震災
調査結果から、8つのFindingをあげている。
以下、個人的に分析をしてみた。

▼家族との関係
1.「自分の世界」より「家族と一緒」。家族との親密さが増している

2.「友達」よりも「家族」。家族の求心力が高まっている

今までにない震災や不況などは、「家族とは」を考えさせられることに直面せざるをえなかった。そのため、個人や友人の力では限界を感じ、「やっぱり、家族は大事」というところに至ったのではないか。いざというときに頼りになるのは、他人より血縁。
▼友達との関係
3.友達との関係性は以前よりややドライに

4.コミュニケーションツールは「深さ」から「広さ」へ。メールは減って、SNSへの関心高まる

PCや携帯で個の世界を楽しめるのはいいが、最初のうちは楽しくても、少しやれば疲弊することがすぐに気づく。深くつきあえば、面倒も増える。友達づきあいの深入りも、面倒なので、適当にほどほどという感覚。今は、家庭の複雑な悩みを抱えている子どもも少なくないので、巻き込まれたくないのも、子どもの直感としてあるのではないか。一対一のコミュニケーションより、広く浅くのほうが危険性が少ないということだろう。
▼生活圏について
5.学びの場:学校を楽しむ傾向が高まるなか、塾に通う子供は減少

これは親の経済的側面が大きい。お金を使う優先順位からすると、他人に教育をまかせることよりも、他に大事なことがわかったのかもしれないし、単純に顕在的にもっと切羽詰まった家庭が多いのかも。塾や習い事にお金をつぎ込むのが、親の愛情だと勘違いしていた人も、少しは目を覚ましたのかもしれないし、お金を払って塾に行かせても効果が少ない、コスパがあわないというのも少なくないと思う。個室があるにも関わらず「家で勉強しないから」とか、「みんながいってるから」とか、きちんと勉強しに行くために塾に通っていた子どもも多いという背景もある。

 

6.遊びの場:「ゲームセンター」より「テレビゲーム」。遊びの場は「家の中」志向が増加

外にいくと、お金がかかる。ゲームセンターで遊んでも、何も得られないことに気づいたのかも。
スマホやPC、ゲームがあれば、家のなかでも、十分、いろんな遊びができるから、わざわざ外へ出ていく必要もない。ネットでゲーセンより楽しいゲームは、たくさんある。
▼その他
7.東日本大震災が身近な関係の大切さを痛感させている

被災の悲惨さを身近に感じたことから、身内の大切さを実感した。今まで、社会体制のなかでぬくぬくと育ってきたのに、それを実力だと思い、その過程で身につけた万能感でなんでもできるといった子どもが、社会に出て初めて現実を知ったという世代より、子どものうちに、震災を目の当たりにして、自然の脅威やどう頑張っても無理なことがある、ということを早めに知ったことで、身近な関係の大切さをわかったのは、とてもいいことなのだと思う。

 

8.激動の時代を過ごす中でも、子供たちの幸せ実感は増加している

ただ平和で不自由なく育ってくると、とてもラッキーなことでも、幸せだと思わず、当然だと思ってしまう。
激動だからこそ、大変なことやつらいことが多いからこそ、些細な良いことでも、幸せだと実感できる。不幸と幸せは、表裏一体。

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