薬は危険
岡田正彦・新潟大学医学部教授は、著書『医療から命をまもる』で、下記のように述べている。
『医療から命をまもる』岡田 正彦著 日本評論社 (2005/12)
一部のポイントをまとめると・・・
・気軽に病院へいくな。院内感染のリスクがある。薬の効かない細菌感染、血液からの感染、唾液、鼻汁、涙、尿、便、汗などからも感染する。
・風邪は、薬を飲まなくても自然回復するものが多い。
・かぜ薬として処方される成分にはきわめて危険なものが多く、服用しないほうが安全。
・薬の研究は5年まで。どの薬も五年以上、服用をつづけるとどうなるのかが調べられていないため、専門家に聞いても正しい答えは返ってこない。
・不整脈の薬は、服用しても利益はなく、死亡率が高まる。
・睡眠薬、鎮痛、解熱剤、胃腸薬を何年もつづけて服用している人も少なくありません。「中毒」というほど深刻でなくとも、習慣でやめられなくなってしまっているのです。タバコに似ています。タバコも薬も、基本的には健康を害する毒物であることを認識すべき
・鎮痛、解熱剤などの長期服用は危険
・高血圧治療薬の効果は五分五分。血圧が下がり、脳卒中を予防できている人がいる一方で、副作用のほうが勝ってしまい飲むだけ損になっている人もかならずいる。
・インスリン注射による治療が必要なもの以外の糖尿病の薬は、利益と不利益がほぼ半々。
・高脂血症、「スタチン系」と呼ばれる薬は、10年以上、飲みつづけた人はがんになりにくい。
・肩、腰、膝、指などにおこる関節痛の多くは、自然に回復していくもの。鎮痛剤を飲む前に、血液検査でリウマチなどの診断をすべき。リウマチでなければ、薬より日常的な運動が有効。
少しでも調子が悪いと、病院にいって薬をもらって飲むことが、当然で正しい行為のように考えている人がいる。しかし、医者によって薬の処方は違うところからみて、何が正しいのかはよく見極めないといけないし、病院や医者を盲信するのは危険だ。
薬には副作用がつきものだし、効果や影響がわかっていないことも多く、薬が増えればそれだけ身体の負担も増える。
間違った治療や薬で苦しむのは、自分。自然治癒力を高める生活習慣をして、薬に頼らないほうがいい。
医者の処方が自分にとって正しいかどうか、よく調べて身を守らないと、お金も時間も身体も消費され命を縮めるだけだ。
ーーーーーーーーーーー以下引用記事ーーーーーーーーーーー
気軽に病院へ行かない
最近は、かぜをひいたというだけで病院を訪れる人が多くなっています。
病院では、思わぬトラブルに遭遇することがあります。最近、問題になっていることの一つが院内感染です。ことばこそ最近、話題になったばかりですが、実際には昔からあったものです。病気を治してくれるはずの病院で、病気をうつされてしまうことを指します。
考えてみれば当然のことかもしれません。病院は病気になった人たちが集まる場所ですから、ある意味でもっとも危険な場所です。病院へ行く以上は当然、覚悟しておかなければならないことではないでしょうか。インフルエンザ、麻疹(はしか)、流行性角結膜炎(はやりめ)など、病院でうつる可能性のある病気は、数えあげればきりがありません。
とくに問題なのは、薬の効かない細菌(MRSAなど)によるものです。病院では、細菌感染をおこした患者さんに大量の抗生物質(細菌を殺す薬)を使います。したがって、当然のごとく薬に慣れてしまつた細菌が増殖し、病気や手術で体力の弱った患者さんに感染してしまうのです。
病気が人から人へうつるチャンスはさまざまです。インフルエンザや新型肺炎SARSなどは、患者さんとすれちがっただけでも感染する可能性があります。
病院で使用するさまざまな医療器具も気になります。
すでに、ずっと以前に改善されたのは注射器の針です。戦前から戦後にかけてのしばらくのあいだ、注射針は消毒をせずに使いまわしがされていました。そのためさまざまな感染症が国民のあいだに広まってしまったのです。その後、注射針は熱湯消毒されるようになり、さらに「完全滅菌の使い捨て針」が普及しました。現在では、注射針から病気がうつるという心配はまったくなくなっています。
一方、医療事故がメディアに取りあげられるようになったこともあって、院内感染がおこるたびにルートの解明が行なわれるようになり、その結果、あきれた実態も浮き彫りになってきました。
その一つは、検査や治療のために使われている金属製の器具です。驚いたことにこれがほとんど消毒もされないまま使いまわしされていたのです。
血液を介して感染するエイズやC型肝炎などが話題になり、その実態が明らかになったのは、今から二〇年ほど前でした。以来、血液に直接触れる状態で使用される器具にっいては、万全の注意が払われるようになりました。しかし盲点は、それ以外の器具にあったのです。
病気の感染は血液を介するものばかりではありません。微生物の種類によっては唾液、鼻汁、涙、尿、便、汗なども危険です。これらに触れる可能性のある器具はすべて患者さんごとに取りかえるべきものですが、それがいまだになされていなかったのです。これではうっかり病院に行けません。
かぜなどは、薬を飲まなくとも自然に回復します。
むしろかぜ薬として処方される成分にはきわめて危険なものが多く、服用しないほうが安全です。
かぜで治療を受ける必要があるのは、高熱が続き体力が弱ったとき、せきなどの症状で睡眠が何日もとれないとき、下痢やおう吐で食事がとれないときなどに限るべきです。
もっとも、単なるかぜでこのような重い症状が出ることはめったにないはずです。
あまりにも気軽に病院へ行ってしまうという悪習慣は改めるべきでしょう。
ーーーーーーーーー以上引用終わりーーーーーーーーーーーーーーー
「風邪に効く薬がない」と昔からいわれており、病院にいって出される薬は、頭痛や鼻水、咳などの症状を緩和する、いわゆる対症療法のものしか出されない。
市販の風邪薬は、出てない症状の薬も入っていて身体に負担増だし、病院で出されるものより効果は薄いので、全くいいことない、というのは知られているはず。
なのに、薬を飲みたがるのは、日本人の薬信仰のせいなのか。
ーーーーーーーーーーー以下引用記事ーーーーーーーーーーー
やめたほうがよい薬は飲まない
では、すでに通院中で、長い年月にわたって薬の服用をつづけているという人はどうすればよいでしょうか。
薬の効果を調べる研究の多くは五年ほどで終了しています。つまり、どの薬も五年以上、服用をつづけるとどうなるのかが調べられていません。専門家に聞いても正しい答えは返ってこないのです。
したがってむずかしいかもしれませんが、最終的には自分で判断するしかありません。薬をやめたほうがよいかどうかの判断は、服用をつづけることの利益と不利益を天秤にかけて考えるということになります。
明らかにやめたほうがよいのは、不整脈の薬です。服用しつづけることによる利益がまったくなく、かつ死亡率がむしろ高まってしまうことが証明されたからです。
ただし不整脈の薬として処方されているもののなかには、精神安定剤や比較的作用がおだやかで副作用のないものもあります。それらが効いているかどうかはわかりませんが、あえてやめる必要もないことになります。
とくに、薬を飲んでいるという安心感が病気の発症を抑えているような場合もあります。本物の薬でありながらプラセボ効果があるというわけです。このような薬までやめる必要はないかもしれません。
睡眠薬、鎮痛、解熱剤、胃腸薬を何年もつづけて服用している人も少なくありません。「中毒」というほど深刻でなくとも、習慣でやめられなくなってしまっているのです。タバコに似ています。タバコも薬も、基本的には健康を害する毒物であることを認識すべきです。
とくに鎮痛、解熱剤などの長期服用は危険です。痛みがないにもかかわらず、つづけて服用するように指示されている、服用がクセになってしまっているという人はただちにやめるべきでしょう。
慢性疾患の薬は功罪を判断して
従来から「慢性疾患」と呼ばれてきた病気がいくつかあります。代表は、高血圧症、糖尿病、それに高脂血症です。今では生活習慣病といったほうがわかりやすいかもしれません。この三つの病気のいずれかで、長い年月にわたって薬を飲みつづけているという人も多いものと思います。
まず高血圧治療薬についてです。
ひとことでいえば、功罪が相半ばしています。
服用をつづけることの利益と不利益が半々くらいなのです。利益と不利益のどちらが大きいかは、人によってちがいます。
血圧が下がり、脳卒中を予防できている人がいる一方で、副作用のほうが勝ってしまい飲むだけ損になっている人もかならずいるはずなのです。
自分がどちらなのかはだれにもわかりません。
わかっているのは確率がほぼ五分五分だということだけです。
薬をもらうために時間をかけて通院し、お金まで支払うのは損だと考える人はやめたほうがよいでしょう。やめることに不安があるという人は、っづけてよいのではないでしょうか。
この点は糖尿病の薬でもほぼ同じです。
糖尿病は、インスリンというホルモンが欠乏しておこる病気です。結果的に、血液中の糖分(血糖)が高くなり、そのために血管や神経に障害が生じます。失明、腎不全、神経障害、心筋梗塞、動脈硬化症などは糖尿病によってひきおこされる代表的な異常です。
二つのタイプがあり、インスリン注射による治療が必要なものと、それ以外です。
前者のタイプでは、生命にかかわることからインスリンをやめることはできません。
一方、後者では、インスリンの分泌を刺激する薬や、腸からの糖分の吸収を遅らせる薬などが使われます。
これらの薬については、大規模調査の結果から高血圧の薬とほぼ同じ状況にあることがわかっています。
つまりインスリン以外の糖尿病の薬は、利益と不利益がほぼ半々です。
少し状況が異なるのは高脂血症です。
とくに悪玉コレステロールが動脈硬化症と、それによっておこる心筋梗塞の重大な原因となっています。したがって高脂血症の治療には、コレステロール値を下げる薬が一般的に使われます。
なかでも「スタチン系」と呼ばれる薬が心筋梗塞による死亡も、また総死亡も低下させることが、大規模調査で証明されました。また最新の調査によれば、この薬を一〇年以上、飲みつづけた人はがんになりにくいこともわかってきました。この薬だけは服用をつづけたほうがよいかもしれません。
足腰の痛みは薬に頼らない
五十肩、腰痛、膝の痛みなどで病院通いの明け暮れという人も多いものと思います。
多くの場合、そこで処方されるのは鎮痛剤です。たしかに鎮痛剤はよく効きますし、薬なしではがまんできないという痛みも少なくありません。
しかし鎮痛剤で治療を行なっても、一年後に回復しているかどうかの割合に変わりはなかったのです。
場合によっては、むしろ症状が悪化してしまうことがあるのも、すでに述べたとおりです。
そうであれば、むやみに鎮痛剤に頼るのも問題です。
肩、腰、膝、指などにおこる関節痛の多くは、自然に回復していくものです。
検査や治療が必要となるのは、「がんこな痛みや腫れがいつまでも続く」「関節痛以外の症状もある」「手足が動かない」などの場合に限ってよいように思われます。
女性によくみられるのは指の痛みです。「リウマチ」ということばがあまりにも有名になり、自分で勝手にこの病名をつけている人も少なくありません。正式には「関節リウマチ」と呼ばれ、一種の膠原病です。それほど多いものではなく、単に指が痛むという程度ではリウマチでないと考えてよいでしょう。
血液で簡単に診断できることから、鎮痛剤を飲む前に、まず検査を受けるべきです。リウマチでないことがわかれば、薬よりも、日常的な手指の運動が有効です。ほとんどが自然に回復していきます。
女性に特有で比較的多いのはへベルデン結節と呼ばれるもので、指の先端の関節が腫れて痛むというものです。リウマチとは異なり、多少の痛みはあってもあまり悪化しないのが特徴です。女性ホルモンのアンバランスが原因といわれています。この場合も、よほどの痛みがないかぎりは、あわてて薬を飲まないほうがよいでしょう。
関節が痛む場合の原則は、「腫れや発赤があれば安静」「治まったら (痛みがあっても)積極的に動かす」 ということです。人間のからだは、動いているときにいちばん調子が出るようにできているものです。からだはいたわりすぎないことです。
このような判断で、むだな薬を減らしていくことができるのではないでしょうか。
ーーーーーーーーー以上引用終わりーーーーーーーーーーーーーーー