fine-club.project approach with well-balanced mind for a balanced life

マリファナ、発ガン物質の濃度はタバコの2倍

12.12.2013 · Posted in 健康

タバコより害が少ないということで、マリファナの解禁が進みつつあるが、マリファナには発ガン物質である多環芳香族炭化水素が普通のタバコの2倍も含まれていることが判った。

また、マリファナはフィルターを使用せずに吸い切ることが多く、煙の吸入量が必然的に多くなり深く長く煙を吸入する傾向があるため、発ガンのリスクは、かなり高い。

ニュージーランドのウエリントンにある医学研究所のRichard Beasley博士らの発表。研究では、分析試験の他にニュージーランドの8つの行政区(総人口180万人)において、55才未満で肺ガンに罹り、公的機関に登録されている患者の4年分のデータを使用したものである。
(Eur. Respiratory J. 31:280-286,2008)。

● 発ガン物質の濃度は2倍
高性能の分析機器によると、マリファナの煙には、発ガン物質である多環芳香族炭化水素が普通のタバコの2倍も含まれていることが判った。そして人体実験の結果、紙巻きタバコと比べたマリファナ使用後の血中の一酸化炭素の濃度は、煙の吸入量が同じでも、5倍であることも判明した。またマリファナは、フィルターを使用しないで先端まで吸い切ることが多いゆえに、煙の吸入量が必然的に多くなり深く長く煙を吸入する傾向があり、気道への発ガンが促進される。

●発ガンのリスクは6倍  
肺ガン患者102例と非患者493例を無作為に抽出し調査した結果、発ガン物質として肺に影響が最も大きかったのは、タバコであった。しかし、マリファナの有害性は、一定の消費量を超えた途端に有害になることが判明した。 吸う量が1日に1本を10年間、または1日に2本を5年間吸う人と最も多かった群では、肺ガンのリスクが5.7倍となった。また、1本ずつ毎年増加するとリスクは8%も増加した。 今回の解析では、肺ガンのリスクに関してマリファナ1本がタバコ20本に相当することが発表された。

マリファナは、通常、煙草と混ぜて使用される場合が多い為に、癌との因果関係は長い間明確ではなかったが、ニュージーランドのマリファナの消費量は多く、マリファナと通常のタバコとを混合して使用する者が少ないことによりこの研究結果はかなり信憑性が高いと思われる。Beasley博士は、今回の知見にもとづき、ニュージーランドの肺ガン患者20例中1例(5%)はマリファナが原因であると推定している。

マリファナの発ガン性は、動物を用いた研究ですでに明らかにされてきていたのであるが、なぜにマリファナ安全説が声高らかに叫ばれていたのかというと、ヒトを対象とした研究では強力な因果関係が証明されておらず、研究結果も一貫していなかったためである。しかしながら今回の研究は、ヒトを対象とした研究において明確にマリファナが通常のタバコよりも気道に有害な影響をもたらすことが示唆された点を大いに評価すべきであろう。今回の知見は発ガン物質としてのマリファナの影響を明白に指摘するものとしては初めてかも知れない。

ちなみに実際に世界でマリファナの使用量は増加の傾向があり、先ほど紹介したオランダでも問題が無いわけではないようである。イギリスの学者が次のようにオランダの政策に苦言を提している。「オランダではいろいろな味のアイスクリームと同じくらい簡単にマリファナを買える。こうした政策を賞賛している人々は、若者のマリファナ使用が250パーセント増加しているという事実を見逃している」

Leave a Reply

WP-SpamFree by Pole Position Marketing