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長生きしたい?

04.17.2014 · Posted in 健康

人生を「長く生きる」より
「良く生きる」「濃く生きる」「納得して生きる」のほうが断然イイと思う。

空虚な人生、人に支配された人生、主体性のない人生、
自然や周りの人たちと協調しない孤独な人生が、長いのは苦痛でしかない。

健康長寿

皆さん口を開けば「健康で長生きしたい」って言いますが、なぜ長生きしたいんでしょう?長生きってそんなに良いものなんでしょうか?

僕が提唱する先住民食には、様々な批判が寄せられます。よくある批判に、「現代人のほうが先住民族よりも長生きだ。だから先住民族の暮らしよりも現代人の暮らしのほうが良い」というのがあります。平均寿命のことに関しては僕も何度も述べてきましたし、船瀬俊介さんの本にも書いてありますから、いまさら取り上げることはしません。でもちょっと考えれば、病気で苦しみながら長生きするのは、拷問に近いことくらい、気づきますよね?

現代医療の全く存在しない場所で、健康で長生きしている人たち、それが先住民の人たちです。そして彼らは我々よりもはるかに優れた思考や思想を持っています。彼らは文明化に乗り遅れた、文明化できなかった人たちなどでは決してありません。文明化を拒否した、文明化しなかった人たちなのです。なぜなら文明化とは、人類の堕落であるからです。

文明化を我々の暮らしという視点から、地球という視点に変えてみていきましょう。文明化は自然を破壊し、森林を切り開いて農地にし、森林に住むさまざまな生き物の住む場所を奪い、殺し、壊滅させました。水を汚染し、空気を汚染し、地球上に勝手に線引きをしたりしては、戦争を起こし、破壊と殺戮を繰り返しました。原爆や原発を作って放射能を撒き散らし、死の灰を世界中に拡散しています。これが文明化の正体です。

先住民族は自然と共存し、自然界をメンテナンスする使命を持っていると考えています。人間が創造した神や宗教を信じるのではなく、あるがままの自然があるがままでい続けるように、自分たちの出来ること、すべきことをしています。そして人間に与えられた使命が果たせなくなったときが、死ぬときであると考えています。ですから先住民族は健康で長生きしたいだなんて、夢にも考えることは無いでしょう。

とあるイヌイットの老ハンターの言葉で「人生で最も辛いことは、自分や家族の空腹を満たすために犠牲にした生きものすべての魂を背負って生きていかねばならないことだ」というのがあります。先住民族にとって、人間が生きるということは、そのために他の生き物の命を犠牲にし続けるということなのです。人が長生きすればするほど、それだけ他の犠牲になる命も増えるのです。そういう意識や覚悟を持って生きている人が、現代人の中にどれだけいるのでしょうか?

特に文明化した我々現代人は、先住民族とは比較にならないほどの大量の他の命を犠牲にし続けているのです。そうやってもなお、なぜ生き続けたいのでしょうか?そこまでして生きる価値のある命なのでしょうか?

ネイティブ・アメリカンやアボリジニーの信仰のところで触れた、自然界をメンテナンスするのが人間としての役割というのは、他の動物や植物のことだけではありません。人間そのものだって当然含まれます。自然界と調和するのにふさわしい人数に、自分たちをもメンテナンスしているのです。これはいわゆる厳密な産児制限と、高齢者における自殺というものによって行われています。妊娠前の6ヶ月間の特別な栄養摂取というのは、妊娠を6ヶ月間待つということに他なりません。現在の日本の20歳以上の女性の結婚の実に半分以上が“出来ちゃった婚”であるというデータに比べ、先住民族がいかに理性的で優れた倫理観を持っているかが分かることでしょう。

先住民族は健康で長生きしたいなんて考えていません。いかに生き、いかに死ぬか。これ以上に何を憂うことがありましょうか。だから僕は健康長寿を語る人に、激しい嫌悪感を覚えるのです。「その命に何の価値があるのか?」と。

長尾周格氏のFacebookより

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