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「被災地の子どものケア」 特別非営利活動法人ジャパンハート  吉岡秀人代表

04.08.2011 · Posted in 子ども, 震災復興

宮城県の海沿いの避難所での支援を行っている、特別非営利活動法人ジャパンハート(http://www.japanheart.org/) 代表 吉岡秀人医師に、被災地での状況をうかがった。

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われわれの被災地での支援活動は、「医療側の視点での介入」と「それ以外の視点での介入」がある。

大人が避難所での毎日の暮らしで奔走するなか、子どもたちは、不安を口に出せない。親に負担をかけたくないため、逆に気丈に振舞う場合が多い。
ショックやトラウマを抱えていても、今は、症状は出ない。住む場所が決まって、絶対安全な環境で、学校に通いだしてから症状は出る。そのため、不安などから興味をそらす方向への工夫が大事である。
例えば、絵本を読み聞かせるとき、毎回、同じ絵本を読む。何度も繰り返すと、絵本を読むと、落ち着いて、眠たくなる、といった状態になる。

現在、トラウマは、意識下に沈んでいて表にでてこない。
医学的には、脳幹からトラウマを引っ張り出すようなメソッドはあるが、今、ひっぱり出してもそれを処理することができないので、それに触れるべきではない。

今回のような単発のショックは、長期的なもの(虐待やネグレクトなど)よりも、回復しやすい。

ただ、被災者ケアは、長期的な視野で行う必要がある。

厚生労働省は、NGOやNPOを信頼しておらず、医薬品を渡さないなど支援活動に対し国をあてにはできないため、被災者支援活動を可能にする長期的な経済基盤の維持することが必要になってくる。
途中で挫折するようなことがあると、自分たちが活動をしていながら、自らの存在価値を脅かすことになる。

子どもたちにとって、いろいろな方法を使って長期的な支援活動ができる環境を整えることが重要である。

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