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入浴剤、効能は確かめられておらず、経皮毒の心配あり

12.21.2013 · Posted in 健康

冬のお風呂には、さらに温熱効果をあげようと、入浴剤を利用する人も多い。

入浴剤は、温泉成分を入れているものもあるが、あくまで人工的につくられたもの。どこまで効能があるのか疑問。

「新・買ってはいけない130 入浴剤」の記事によると、効能は確実な臨床試験が行われて出した結果ではないとのこと。要は、適当な成分を入れて、その成分で起こる可能性のある効能をうたっただけ。

また、あのバスクリンなどの毒々しい緑やオレンジが本能的に好きではなく、あんな人工着色料のお湯に入るだけで、皮膚に影響が出ると感じていた。

あの人工着色料は、タール色素で、食品に使用されると発ガン性があるもの。それなら、当然、皮膚を通して体内に入ると、経皮毒として影響あるのではないか。

効果もいい加減、色素が経皮毒の可能性がある入浴剤など、わざわざお風呂に入れないでも、十分効果は得られるのではないだろうか。

 

新・買ってはいけない130 入浴剤

●確かめられていない、効能の真偽

 これら入浴剤の効能だが、実は実際に効果が確かめられたものではない。入浴剤は、厚生労働省が定めた「浴用剤製造(輸入)承認基準」に基づいて、製造が承認される。しかし、この基準が実にいい加減なのだ。塩化ナトリウム(食塩)や炭酸水素ナトリウム(重曹)、乾燥硫酸ナトリウムなど14種類の成分をいずれでも合計70%以上配合していれば、「あせも、荒れ症、うちみ、くじき、肩のこり、神経痛、しっしん、しもやけ、痔、冷え症、腰痛、リウマチ、疲労回復、ひび、あかぎれ、産前産後の冷え症、にきび」これらをすべて効能または効果として表示できる。 極端な話、食塩を70%以上含んでいれば、これらの効能をすべてうたうことができるのだ。

 お風呂に塩を入れただけで、肩こりや神経痛、リウマチ、痔まで治る……。これはどう見ても本当ではない。本誌2007年2月16日号で「きき湯」(『新・買ってはいけない5』に収載)を取り上げた際、この点を追及すると、厚生労働省医薬食品局・審査管理課の担当官はこう答えた。

 「入浴剤(浴用剤)は、温泉に入っている成分を人工的に作って、それを入浴する際に使おうというもの。肩こりが治る、血行を促進するなどが入浴剤の効能としてあるが、実際にそれを確かめる臨床試験が行なわれたことはないと思う。この基準にある効能・効果は、天然の温泉でいわれている効能・効果をそのまま持ってきた部分があると思うが、塩化ナトリウムなどの成分を入れて、温泉と同じような効果を期待するものではない」

(中略)

ツムラライフサイエンスの広報担当者は、「厚生労働省の基準にしたがって成分を使っており、効能も表示している。当社が独自に臨床試験を行なって、効能を確認しているわけではない。ただし、入浴剤の有効成分を入れた場合と、入れない場合でのサーモグラフィーによる皮膚の温度の違いや水分の違いは確かめている」と答えた。

●経皮毒が心配なタール色素

 市販の入浴剤をお風呂に入れると、お湯がパーッと緑やオレンジなどの鮮やかな色に染まる。「黄202(1)」や「青2」、「赤2」などのタール色素が配合されているからだ。

 しかし、これらは指定成分としてリストアップされていたものであり、人によってはアレルギー性の皮膚炎などを起こす心配がある。特にじんましんを起こすタール色素があるので、注意が必要だ。

 タール色素は、アゾ結合やキサンテン結合などの独特の化学構造を持っていて、動物や人間の遺伝子に作用しやすく、そのため遺伝子を突然変異させて、がんや先天性障害を起こす可能性がある。タール色素の中には、食品添加物として認可されているものもあるが、過去に一度は使用が認められ、その後発がん性などの毒性があることがわかり、使用禁止になったものが少なくない。赤色1号、赤色101号、黄色3号などがそうだ。なお、日本で今も食品添加物に認可されている赤色2号(赤2)は、アメリカでは動物実験で発がん性の疑いが強まったとして使用禁止になった、いわくつきの色素である。

 最近、経皮毒が話題になっている。化学物質が皮膚から体内に浸透して現れる毒性のことだ。まだそれがどれだけの影響をもたらすかは確かめられていないが、皮膚には汗腺や毛穴が無数にあるので、そこからお湯に溶けたタール色素が浸透する可能性がある。その影響も懸念されるので、タール色素の配合された入浴剤は使わないほうがよい。

●どこが“薬用”入浴剤?

 入浴剤とはやや趣が違う薬用入浴液なるものが売られている。肌をしっとりさせるためのもので、主に赤ちゃんの入浴に使われる。「エモリカ」(花王)や「ソフレ」(ツムラライフサイエンス)、「バスロマン」(アース製薬)などが代表的だ。いずれもワンボトル(450~720ml)で600~1,000円と高価だ。

 これらも医薬部外品で、「バスクリン」と同様な効能が表示されている。神経痛、リウマチ、痔にも効くとある。しかし有効成分を見ると、「エモリカ」は「コメ胚芽油」、「ソフレ」は「カンゾウ抽出末、ショウブ抽出液」のみ。「浴用剤製造(輸入)承認基準」に定められている塩化ナトリウムなどの「温泉成分」の表示もない。コメ胚芽油やカンゾウ抽出末などで、神経痛・リウマチ・痔までに効くとは到底考えられない。

 厚生労働省医薬食品局・審査管理課の担当官(前出とは別)は、「浴用剤製造(輸入)承認基準には、この基準に適合しない場合、承認前例を明示する資料などを提出して、審査を受けることができるとある。これに基づいて個別審査をして、承認している」と答えるのみで、詳しい内容はわからないという。

 これでは当然納得がいかない。考えをめぐらして、カラクリがわかった。結局、配合成分はほとんど関係ないのだ。表示された効能は、お湯で体を温めることで得られるものなのだ。つまり、薬用入浴液を使おうと使うまいと、ほとんど関係ない。 花王の消費者相談室も、「保湿成分ということでコメ胚芽油を配合しています。腰痛や肩こりなどへの効能は、基本的にはお湯での保温効果によるものです」と、それを認めた。これでは詐欺的商品ではないのだろうか。

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