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10月29日「東日本大震災 私たちだからできること〜Pray and Action〜」

11.12.2011 · Posted in 女性問題, 震災復興

10月29日 「東日本大震災 私たちだからできること〜Pray and Action〜」に参加した。

基調講演は、3・11からの支援活動を「センダイポデロサ日記」につづる門間尚子さん。

シンポジウムでは、下記3名のそれぞれの活動報告とともに、門馬さんを加えて4名が、「今後、私たちだからできること」について、それぞれの思いを語った。

震災後の女性・子ども応援プロジェクト 藤原志帆子さん
「“女性や子どもが主体”になれる復興のかたち」

インパクト東京 森山奈央美さん
「震災を通じて考える“私を守れる、私”」

災害時の性暴力・DV防止ネットワーク 山本潤さん
「“震災後の社会”が性暴力を許さない社会になるために」

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門間尚子さんの基調講演の一部を紹介したい。

●震災当日からニーズをカタチに変えるまで

パープルラインを実施中に被災、電気がとぎれたため電話を受ける相談活動が中断し、門間さんは個人で活動を継続。

3・11当日、町中心部で仕事をしていたが、地震後外に出て錦町公園に向かうと、同じような人がたくさんいた。
そこで見た空の色はねずみ色。東の方は赤黒く、それは津波の起きた方向だったというのは、後で知った。東京では、直後に津波の映像が流れていたそうだが、仙台にいる私達は全く知らなかった。

みんな、それぞれ、家に向かった。誰も口をきかない。無言のまま、とにかく家に向かった。

門間さんの親戚は宮城県沿岸部に点在していたが、何人か亡くなり、未だに遺体が見つからない人もいる。ただ、多くの人は、5ヶ月、6ヶ月過ぎ、遺体のないままにお葬式をする人も多い。

門間さんの自宅は古い団地で、停電をしたまま。あのときのあまりにもよく見える星の様子は忘れられない。子どもたちのなかには、あのときを思いだすため、「星空を見たくない」星空トラウマの子もいる。

当日は、近所の学校の避難所に避難した。大きくはない場所なのに700人以上がぎゅうぎゅう詰め。身体を横に伸ばす場所もなく、みんな足を抱えて座ったまま休んだ。しばらくたって毛布が救援物資としてきたが、1人1枚はなく1枚を3人で使ったりしていた。

門間さんは家にある米30kgを避難所にもってきて炊き出しを始めた。しかし、それだけでは到底足りない。そこで、3月12日からはブログやメールを使って、どこで何が足りないか、避難所や保育所などにニーズを聞きまくった。

仙台のような街での暮らしで、どこに何があって、別の場所では何が足りないのかがわからない。割り箸やウェットティッシュが貴重だということが、この体験でよくわかった。保育所に避難している子どもたちにはお菓子を持っていった。

そのときとてもありがたかったのがヤマト運輸。東京や全国の知人に救援物資をお願いしたのだが、3月17日には宅配便で届いたのだ。そして、全国250もの個人や団体とつながった。

その後、同じ物資でも、ある場所では余っていて、別の場所では不足している状態。どこで何が足りないか、各々のニーズの把握をしっかり行い、ブログやメールでの情報発信ではそのニーズをまめに更新した。そして、被災地外の人の「何かしたい気持ち」を具体的なカタチに替え、被災地につないでいった。

●女性支援~女性たちのつぶやき

「炊き出し」は、ほとんどが女性で行われる。女性だけで集まり、野菜を切ったり調理したりする間に交わされる会話から女性のニーズやケアを導いてきた。

「トイレの周りが暗いから、我慢してしまう」
「我慢していたら膀胱炎になるよ。じゃ、複数で一緒にトイレに行こう」
こういった女性特有の悩みは人前で話すのははばかられるが、炊き出しの時間で同じ作業をすることで信頼関係をつくり問題を共有して解決できる方法はないかを探っていった。
また、これらの本音をブログで発信したり、少しでも心身を癒すことができるような心のケア講座を開いた。

●女子学生への支援

避難所の思春期の女の子の本音は、報道には出ない部分である。直接会って話してみると、不思議なくらい、ものすごく頑張ってきた女の子がいることに驚いた。大人を手伝い、小さな子の面倒までみる「一生懸命な姿」と彼女たちが抱える「本音」には、大きなズレがあることがわかった。(「被災地女子中高生のコメント」の一部を紹介)

そこで、10代女子の震災ピアサポート「MDGガールズプロジェクト」を始めた。このプロジェクトをやっているのは、宮城学院女子大(M),ドレメファッション芸術専門学校(D)の女子学生(G=ガールズ)有志によるMDG。ちょっと上世代のお姉さんたちが、10代の女の子の気持ちに寄り添いながら応援し、一緒に回復していくピアサポートとして、”支援物資”ではなく”プレゼント”を送ったり、イベント(手作りコーナーやファッションショー)などを行っている。

すでに全国の同世代の女性から送られたプレゼントが、仙台で行われる「ティーンズ女性会」で、被災地の女の子の手元に渡っている。

MDGガールズプロジェクト http://www.sendai-l.jp/mdg/

被災地のティーンズ女子に贈る、プレゼントを募集中!
プレゼントは、10代の女の子たちが喜んでもらえそうなキラキラしたモノ、可愛いモノ、ちょっと素敵なモノ。
プレゼントは新品に限る。1コからOK。

〜〜〜 その他に門間さんは、「シングル女性」や「母であり嫁である女性」の支援も行なっている。女性といっても、それぞれの置かれた状況や立場によって、不安や悩みが全く違う。同じような立場の人が集える場、語り合える場を提供し、さまざまな不安や家族にも言えない悩みをひとりで抱え込まないようにしながら、問題を共有し、心をささえあい、問題解決のきっかけづくりを行なっている。

 
門間尚子さん・プロフィール
「NPO法人 ハーティ仙台」の世話人として、DV被害および性暴力被害女性とその子どもを支援。3月11日の被害日本大震災以降は、全国200以上の個人及び団体と被災地の女性と子どもを結ぶ活動を行なっている。被災女性のこころのケア講座講師のほか、被災した女性と子どもをエンパワメントするプロジェクトを行政・企業・学校と展開中。

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