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日本人の幸福度

11.25.2011 · Posted in view

ブータンのワンチュク国王夫妻が来日し、その爽やかさ、清々しさに心打たれた人も多いと思う。
「『GNHはGNPよりもより大切である』と発言するような素敵なトップがいる国だから、国民の95%が幸福と感じるんだろうなぁ」と、トップと国民の関係で幸福度を直結して考えてしまった。

このGNH(Gross National Happiness=国民総幸福感)は、1972年に、ブータン国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクが提唱した「国民全体の幸福度」を示す“尺度”である。これはブータン固有のものなので、この尺度で他の国を測ったデータはないが、それと似たようなもので地球幸福度指数というものがある。

地球幸福度指数は、イギリスの環境保護団体であるFriends of the Earthが2006年7月に紹介した国の幸福度のレポート「THE (UN)HAPPY PLANET INDEX」によるもので、「人生の満足度」「平均寿命」などの要素から計算された数字によるものだそうだ。
(原文サイト http://www.happyplanetindex.org/

それによると2006年の1位はバヌアツ、日本は95位、2009年の1位はコスタリカ、日本は75位だった。(Wikipedia 地球幸福度指数

その数字は、国の事情もあるし個人の考え方にもよるので、当たっているかどうかは不明だが、なんとなく納得する数字でもある。幸福とはなんぞや、と考えるときのきっかけにはなると思う。

ところで、日本の幸福度はどうなっているんだろう?

みずほ総合研究所がアンケートによる日本人の幸福度調査結果を発表した。
PDF:日本人の幸福の源泉を探る〜アンケート調査結果にみる日本人の主観的幸福度〜

仕事(職業別、雇用形態別、職種別)、家庭生活(家族、食事、趣味・娯楽、住環境)、人間関係などと幸福度の関係を調査している。気になったものを挙げていく。

・職業別幸福度では、「主婦」が1位、2位「役員」、3位「教師・講師・大学教授」
・雇用形態別幸福度の1位は、「パート・アルバイト」。
・幸福度の高い職種、「調査・広告・宣伝」、「経理・事務企画」、「基礎研究・技術研究」。
・生活について幸福に影響を与えるもの、1位「家族・家庭」、2位『食事」、3位「人間関係」。
・幸福度が高い人の70%が「趣味・娯楽」を楽しんでいる。幸福度の低い人たちの場合は、30%。
・幸福度の高い人ほど、近所同士や親戚同士で助けあっている。
・幸福度の高い人ほど、友人の数、信頼できる人の数が多く、友人との助け合いの割合も多い。

この結果を見て思ったのは、サザエさん的な家族が幸福度が高いんだなぁということ。
家族との団欒を重視して、仕事もほどほどに満足、近所づきあいや知人との関係を大事にする暮らし。今のサザエさんを見て、個人的にはちっとも共感がわかないのだが、それは会話のネタやオチなのであって、家族や暮らしの形態という視点から見ると、とても理想的なのかもしれない。

日本人は、繊細で細かいことを気にするが我慢強い人種で、「努力すれば幸せになれる」とだけを信じて、重要な内容について考えてこなかったのかもしれない。それに、日本人は自分の気持ちよりも、人と比べて相対的な判断をしがちな国民でもある。人の幸福なんて、そんなに簡単に測ることはできないが、失ってみてわかる大事なもの、その大事なものが存在するだけで、実は幸福だったということに後で気づくことも多い。自分の幸福について、自分と向き合って真剣に考えてみることがとても大切だと思う。

 
〜こちらも参考に「幸福度に関する研究会報告(案)—幸福度指標試案」

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