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子どもたちの放射線被害を少なくするために

04.06.2012 · Posted in 原発・放射能

JMM from MRIC
ガラスバッジ検査 〜相馬市の対応から〜 坪倉 正治:東京大学医科学研究所(2012/4/1)

このレポートで、相馬市での、2011年10 月〜12月の乳幼児から中学生、妊婦の計4010人にガラスバッジによる外部被ばく検査が行われ、その結果がHPに公表されたことが掲載されていた。
http://www.city.soma.fukushima.jp/0311_jishin/glass/index.html

年間線量で2mSV以上が33人(0.8%)、1mSV以上が522人(13%)という結果でした。より線量の高い地域であればあるほど、ガラスバッジの示す値の平均値は高くなることが示されるのは、当然の結果

とあったが、

同じ地域に住んでいる方々の中で、値が広範囲に分散しているということが判明しました。言い換えれば、比較的線量の高い地域に住んでいる方の中に、かなり値が低い方がいること、逆に線量の低い地域に住んでいるにも関わらず、値が高めである方がいるということです。同一家族内でも値が異なる場合が散見されます。

と報告されていた。なかでも、

小学生よりも中学生の線量が高めに出る傾向にあります。外で活動する時間が長いからなのかもしれません。

というのを見ると、本当に外での活動の怖さを感じた。子どもを持つ親としてどうすべきか、その心痛は計り知れない。
子どもに外で思いっきり遊ばせたいというのはどんな親でも共通の思いだが、それが健康被害につながると思うと、外での活動を控えてと言いたくなる。部活をやめてとはいえるわけではなく、そのせいで子どもがストレスをためることを考えると言いたくても言えないと悩むだろう。

この記事のなかで、相馬市の職員が、値の高かった子どもたちへ行った個別訪問についても書かれていた。

家の線量(特に長時間生活すると思われる、居間や寝室の線量)を各部屋数ポイントずつ測定し、線量図を作成、家の周りで線量の高かった場所の写真を細かく撮影します。そしてどのような除染が可能かの検討を始めました。

訪問された家の数は数十件でしたが、それでも膨大な資料の量に驚きました。

その結果、多くの家での1Fと2Fの線量が明らかに違うことが再確認されました。家の中でも部屋によって線量が明らかに異なります。
部屋、そして部屋内の場所を選ぶだけで、線量が大きく下げられることがわかりました。

子供の生活の約3分の1は睡眠、3分の1は学校です。当たり前のことなのですが、我々がもう一度、子供達の生活する場所の線量評価を徹底的に行い、長時間生活する場所から、少しでも線量を下げて行く継続的な努力が必要であること、しかもそれを行うことで、より線量を下げる方法が十分とり得ることを再認識しました。

計測方法の問題点を指摘しながらも、相馬市が両親を対象に、子どもの生活に関するアンケートを行い、どのような行為が被ばく量の増加に結びつくのか解析を行っていると報告されていた。

内部被ばくの予防には、「食べ物の選択をしっかり行うこと」、外部被ばくも同様に、「放射線防護の3原則、距離をとり、時間を短くし、遮蔽をおけばよい」ということだが、それを現実の生活に置き換えるのはたやすいことではない。ガラスバッジの値が高い一人一人から話を聞き、念入りに状況を把握することで、被ばく量が増える生活や行為を特定するという地道な作業を行っている東京大学医科学研究所の上先生、坪倉先生をはじめとする研究者の方々や相馬市の市役所の職員の苦労に頭が下がる。この調査の結果、放射線による健康被害が少しでも減ることを祈る。

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