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日本の子どもの貧困率は、ワースト9位

06.13.2012 · Posted in 子ども

日本の子ども(18歳未満)の貧困率は14.9%で、先進35カ国のうち悪い方から9番目の27位。
これは、ユニセフの研究機関であるイノチェンティ研究所が発行する、先進国の子どもたちの状況を調査・分析した報告書シリーズ、『Report Card』の最新版である『Report Card 10-先進国の子どもの貧困』が、5月29日(火)、ユニセフ本部より発表された報告書によるもので、ユニセフが同様の分析をした報告書によると、日本の子どもの貧困率は2000年12.2%、2005年と2007年がいずれも14.3%。今回は15%に迫り、年を追うごとに上昇している。順位も23カ国中12位(2000年)、26カ国中17位(05年)、24カ国中16位(2007年)と、ずっと低迷が続いている。

ユニセフ・イノチェンティ研究所 最新報告書発表 子どもの貧困削減を政策の優先課題に

子どもの貧困率が最も高かったのはルーマニア(25.5%)で、米国(23.1%)が続き、ワースト6位が金融不安に揺れるギリシャ(16.0%)、7位がイタリア(15.9%)で、8位がリトアニア(15.4%)の次に日本が続く。

貧困率が低いのはアイスランド(4.7%)、フィンランド(5.3%)など北欧諸国。さすが福祉国家!

この調査に関連した記事、国立社会保障・人口問題研究所部長 阿部 彩さんの「視点・論点 「子どもの貧困 日本の現状は」2012年06月05日 (火)(NHK視点・論点)

阿部さんが、2008年に出版した「子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)」で、日本の子どもの貧困について警鐘を鳴らしていたが、全く状況は変わっておらず、昨年の震災で、さらに貧困が進んでいると思われる。

ばらまき子ども手当をやったかと思ったら、やめてしまうし、生活保護の母子加算も廃止、母子家庭の子どもたちの貧困はひどくなるばかり。

都会の小中学校では塾に行くのが当然のように学校側も考えており、教育は金次第。経済的貧困は、学歴にも影響し、学歴がなければ職にもつけず、貧困スパイラルは加速し、一旦、そこに足を踏み入れると抜け出せない。さらに虐待のリスクも高くなる。奨学金制度なども遅れているし、子どもの貧困を解消しようとする具体的な手だては打たれていない。

この問題は随分前から指摘されているが、メディアも大きくとりあげず、多くの人はこの実態を知らない人が多い。貧困=途上国と思っている人が多いが、日々の食事もままならない子どもが日本にもいる現実。

北欧など、小国だからこそ、国の発展を担うのは子どもたちだと、子どもへの教育や福祉政策を重視してきたが、日本は、老人が既得権益を囲い込んだまま若者に譲らない。少子化対策で出産率を高めたいのは、年寄りの年金の財源確保のためであって、子どもたちが健やかに育つ環境を整えることもせず、国際力をつけるための教育もない。虐待についても年々同じような事件が起きているのにも関わらず、根本的な対策もとられない。子どもの人権についての意識も低い。本当に子どもを大事にしない国だと思う。

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