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DSM4 DSM5の主要な変更点

12.26.2013 · Posted in 精神医療

DSMとは、「精神障害の診断と統計の手引き」(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、DSM)は、精神障害に関するガイドライン。

精神科医が患者の精神医学的問題を診断する際の指針を示すためにアメリカ精神医学会が定めたもので、世界保健機関による疾病及び関連保健問題の国際統計分類とともに、世界各国で用いられている。

1994年に「DSM-IV」、2000年に「DSM-IV-TR」が発表。

DSM-IVには、16個の障害 (Disorder) の概念が含まれている。(wikipediaより)

1• 通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害 (Disorders Usually First Diagnosed in Infancy, Childhood, or Adolescence)
2• せん妄、痴呆、健忘性障害、および他の認知障害 (Delirium, Dementia, and Amnestic and Other Cognitive Disorders)
3• 一般身体疾患による精神障害 (Mental Disorders Due to General Medical Condition)
4• 物質関連障害 (Substance-Related Disorders)
5• 統合失調症および他の精神病性障害 (Schizophrenia and Other Psychotic Disorders)
6• 気分障害 (Mood Disorders)
7• 不安障害 (Anxiety Disorders)
8• 身体表現性障害 (Somatoform Disorders)
9• 虚偽性障害 (Factitious Disorders)
10• 解離性障害 (Dissociative Disorders)
11• 性障害および性同一性障害 (Sexual and Gender Identity Disorders)
12• 摂食障害 (Eating Disorders)
13• 睡眠障害 (Sleep Disorders)
14• 他のどこにも分類されない衝動制御の障害 (Impulse-Control Disorders Not Elsewhere Classified)
15• 適応障害 (Adjustment Disorders)
16• パーソナリティ障害 (Personality Disorders)

 
DSM-IVには374の病名があるが、病名及びその病名の症状はアメリカ精神医学会の委員の挙手による多数決によって決められている、権威のある“曖昧なマニュアル”であるとの批判がある。
その病名にあてはまるかどうかの診断は精神科医の主観に委ねられているため、診断に個人差が出る。

2013年5月に発表された、「DSM-5」は、DSM-IVから様々な変更点があり賛否が問われている。

「Disorders」の訳を、「障害」とするか「症」とするか。
また、DSM-5で軽度の障害を含めたため、普通の人間の心の動きまでも、病気と診断される可能性があり、多くの精神障害患者を生み出している。

●DSM4 DSM5の主要な変更点(@Luke0629 さんによる)
http://togetter.com/li/515141

精神科の診断基準DSM5のDSM4からの変更点をまとめた記事を大雑把に訳してみると。

http://t.co/FrPnlhNHQO

0) 多軸診断がなくなった。カテゴリー診断にディメンジョン診断が加わり連続性が強調されている。診断的特徴だけでなく、基礎となる脆弱性に対する理解が進み、それが反映されている。

1) 精神遅滞はintellectual developmental disorderに変更。音韻障害が吃音がCommunication disordersへ。ADHDや学習障害もここへ。

2) Autism Spectrum Disordersはアスペルガー障害などを一括化。

3) 過食症が正式に追加。

4) Disruptive Mood Dysregulation Disorder。10才より前から始まり、1年以上続く子供の苛々や癇癪。双極性障害の過剰診断を防ぐ目的もある。

5) 強迫性障害に、身体醜形障害、抜毛症、excoriation disorder(皮膚のかきむしり)、hoarding(ためこみ) が追加。

6) パーソナリティ障害の診断の信頼性は、ボーダライン・パーソナリティ障害を除いて低い。DSM4の診断枠は維持。

7) Trauma- and Stressor-Related DisordersにPTSDが組み入れられた。PTSDに行動面の症状が追加(認知や気分の陰性の変化。薬物や身体疾患の影響ではない)。トラウマのイベントは文化面を反映。

8) 大うつ病性障害から、DSM4では除外診断であった死別反応(親愛なる人の死から2ヶ月以内の反応)が除外。

9) Addictions and related disordersは乱用と依存を一括化し重症度で診断。DSM4では1つ以上の症状が要求されたが、5では2つ以上へ。

10) 混合状態の診断基準が現実に即したものとなり、うつ状態と躁状態の両者の全ての基準を同時に示す必要はなくなった。DSM4の混合状態を示す場合は混合状態を伴う躁病へ。

11) 認知症や健忘はNeurocognitive Disorderへ。病因によってアルツハイマ-病、レヴィ小体病、血管性、パーキンソン病、HIVなどを分類。

12) Paraphilias and Paraphilic Disordersとして性的倒錯が追加。

13) 自己診断ツールや更なる研究が必要な診断をまとめた章。統合失調症の病前期としてのattenuated psychotic symptoms syndrome、自傷non-suicidal self-injuryやInternet gaming disorder。

主要な変更点はこちらでも確認できる 
http://t.co/zbipy6k4j2
http://t.co/xSdzJpcN7H

DSM4に出てきていない用語は訳さなかった。おそらく今後出版される日本語版で正式な訳が発表されるだ ろうから。インターネット・ギャンブリングは正式な疾患に採用。Dementia(心が無い状態)が差別を呼ぶので名前を変えられたというエピソードも。 日本では既に認知症に変更。

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