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上杉隆氏の無期限活動休止宣言

04.01.2011 · Posted in Media

フリージャーナリストの上杉隆氏が、無期限活動休止宣言をした。http://uesugitakashi.com/?p=658

自由報道協会を立ち上げ、記者クラブに対抗するために、フリージャーナリストと連携しながら記者会見をオープンに開き、日本のマスメディアの正常化に向かい、少しずつでも進んでいっているように見えていたから、この宣言はかなりショックである。

ブログのなかで、海外メディアの書きっぷりに対し「私はひとりの日本人ジャーナリストとして、いま強烈な無力感に襲われています」と、あまりの日本の惨状に落胆を隠しきれない。これだけインターネットが普及して情報を得られる環境である日本人も、一部の人は自分で情報をとって生活に活かしているけれど、社会を変えようという大きな動きになっているとは思えない。今までの経済活動は変えずに、変化へのリスクを背負わないまま、情報だけをあれこれいっても根本的な解決にはならない。まして、マスメディアの情報を排除する動きもあるように見えない。つまり、多くの日本人は変化を望んでないように見える。

そして、「これ以上、国際的にフェアな仕事のできない日本のメディアに関わることは、畢竟、自分自身も犯罪に加担していると疑われる可能性もあります。」とある。

国民のために真実を伝えようとしないマスメディアは、本来の姿からは異常であり、そこの作法に従って仕事をするのは、一種の詐欺にも近い。私自身、広告の仕事で、広告主の企業や商品にとって都合の悪い情報は出さず、都合のいい情報のみを伝えるのは、詐欺の片棒を担いだような気がして、ひじょうに後味が悪かった。嫌気がさした決定的だったのが電事連の広告だった。広告の仕事を平気でやっている人たちは、それが社会を良くない方向に導いている責任がある。が、当人たちは、そんなことは微塵も感じていないだろう。

消費者もCMを見ながら批判はしつつも、不買運動などは日本では起こらない。騙しても騙された人間が怒らなければいい、騙されても別にいつもの暮らしに大きな影響がなければいい、そういう国民性が、今の日本を作ってきたのだと思う。

上杉氏のような、ある意味潔癖というか一本通った人は、日本では生きにくいのかもしれない。ただ、海外でフリージャーナリストのファンドを作る構想があると言っていた。期待したい。

日本の現状を変えていくには、今までの日本的発想では変わらない。

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