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狩猟採集民族と糖質

04.11.2014 · Posted in 健康, 砂糖・糖質

「狩猟採集民族は動物性食品主体、タンパク質・脂質主体の食生活であるのに対し、ニューギニア低地人は糖質の摂取量が相対的に多く、むし歯や歯周病がみられ、また肥満もみられます。他の狩猟採集民族よりも健康状態は悪く、乳児死亡率が高く、平均寿命も短い」

健康状態が悪いのは、糖質が原因。

狩猟民族と糖質

伝統的な狩猟・採集・漁労で生活している先住民族は、みな健康かというと、そうでない人たちもいます。その例として今回取り上げるのは、ニューギニア低地のジャングルに住むポリネシア系先住民族です。

彼らは農耕を行わず、狩猟・採集・漁労で生活していますが、むし歯や歯周病がみられ、また肥満もみられます。他の狩猟採集民族よりも健康状態は悪く、乳児死亡率が高く、平均寿命も短くなっています。これはどうしてなのでしょうか。

一般的に狩猟採集民族は動物性食品主体、タンパク質・脂質主体の食生活であるのに対し、ニューギニア低地人は糖質の摂取量が相対的に多くなっています。糖質を何から摂っているのかというと、サゴヤシという植物で、幹の部分からサゴという食用デンプンが採れます。食生活におけるサゴの摂取比率が高い民族ほど、むし歯や歯周病が増え、不健康になっています。

確かにニューギニア低地人たちは、サゴヤシを栽培してはいません。しかし、サゴヤシの幼木の周りの下草を刈って、サゴヤシの成長を促したり、定期的に管理したりしています。サゴヤシから得られるデンプン量が、集落の人口を規定する要因にすらなっています。

そもそもニューギニアの先住民族はメラネシア人です。ポリネシア系民族は後からやってきた人たちであり、いわゆる紀元前3500年前から始まったとされる、オーストロネシア人の拡散によってニューギニアに渡ってきた人たちです。オーストロネシア人は元は農耕民族であり、農作物を作ったり三大家畜(犬、豚、鶏)を飼育したりと、食料生産を行う人々でもありました。ですからデンプン質を“主食”とすることにも、さしたる抵抗は無かったのでしょう。

オーストロネシア人の拡散によって太平洋の島々に広がっていった人々は、それぞれの島で異なる発展をしました。イースター島やピトケアン諸島のように崩壊した文明もあれば、ティコピア島のように環境に適応して安定した文明もあります。こういった崩壊した文明や危機的な文明を調べてみると、そこには糖質の影がみられます。まさに、「糖質は人間を腐らせる」ということが見えてくるのです。

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