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帰れない、本音が言えない

06.21.2014 · Posted in 震災復興

3・11から3年が過ぎたが、避難者の多くは、まだ故郷に帰れない人がたくさんいる。

全国の避難者数復興庁がまとめたデータ(2014/5/15現在 詳細)によると、31万人の避難者のうち、約24万人が被災3県(岩手、宮城、福島)に、約7万人がそれ以外の都道府県に所在。全国的に分散している。

避難命令が解除されても帰れない人がたくさんある。放射能の影響の実態がわからないと、簡単に帰れないし、数年間、町として機能していなかった土地に帰っても、普通の生活が送れる保証がない。

さまざまな条件や理由が複雑に重なり、帰りたくても帰れない人が多い。

さらに、その思いを外に吐き出すことさえ許されない雰囲気がある。
 

「町に帰らないのは放射線量が理由ではない」 避難を続ける福島県民の本音【東日本大震災】(HufiingtonPost 2014年06月19日)

福島第一原子力発電所の事故によって一時は全町民に避難が指示された福島県の広野町で6月11日、「幸せな帰町とは何か」を考える国際シンポジウムが開かれた。

福島第一原発から南に20km離れた場所に位置する広野町は、2012年3月31日に避難指示が解除され、約3割の住民が町に戻った。しかし、20〜30代の帰町率が低く、さらにこの世代の女性は、男性の半分ほどしか戻っていない。

町に人が戻るためには、何が必要なのか。地元住民をはじめ、世界各地で発生した大災害による住民避難について研究している海外の研究者らが議論を交わした。

■「放射線量は、理由付けでしかない」

会場でひときわ注目を集めたのは、広野中学の3年生による「町に人が戻らないのは、原発事故による放射線量が理由ではない」という発言だ。福島市や郡山市などの県央の地域に比べて広野町の放射線量が低い点をあげ、「放射線量は避難を続けるための理由付けでしかない」と強調した。

では何が理由で、住民は町に帰らず避難を続けるのか。この生徒は続ける。

「一番の理由は、『便利か否か』ということだと思います。私も今、いわき市に避難していますが、広野町に比べると便利。いわき市、福島市や郡山市に避難している人たちは、みな同じではないでしょうか。なぜ町民が(本音を)言わないのかというと、白い目でみられるからです」

こう考えるのは、この中学生ばかりではない。震災後は神奈川県に避難し、2014年4月に3年ぶりに広野町に戻った馬上直子さん(35)も、避難先の便利さによって帰町をためらった一人だ。「神奈川に居れば、子供たちにとって、将来の選択肢が広がる」と考え、避難先の利便性にしがみついていたと、当時を振り返る。

■原発事故によって本音が言えなくなった

「利便性」以外にも、帰町しない避難者の本音は存在する。しかし、原発事故によって、広野町に本音を言いづらくなった状況が生まれたため、表に現れにくくなっている。

事故前は気軽に話していた隣の家の家族とも、原発や放射性物質に関する考え方が異なると会話しづらくなった。住民の間だけでなく、親や子供、夫婦、兄弟といった家族の間でも、心の分断が生じている。(つづく・・・)

http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/18/return-to-hirono-town-fukushima_n_5507109.html

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