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ブドウ糖回路とケトン体回路

11.08.2014 · Posted in 断糖肉食, 砂糖・糖質

本来、人間の活動のエネルギーとしては、約1/3がブドウ糖回路から、2/3がケトン体回路から得ているのに、糖質を摂り過ぎると、ブドウ糖を脂質として蓄えて太るとともに、ブドウ糖回路優先になって、ケトン体回路が使われなくなる。

糖質を減らすと(断糖肉食すると)、ケトン体の元になる脂質を全身の脂肪細胞で安全に貯蔵でき、さらにケトン体からはブドウ糖に比べ非常にたくさんのエネルギーを作り出すことができる。

ケトン体回路メインのほうが健康。

ブドウ糖回路とケトン体回路

食べ物から摂取している栄養素のうち、三大栄養素と呼ばれるものは、糖質、脂質、タンパク質です。このうち糖質と脂質は主に活動のためのエネルギーとして使われます。

糖質は単糖まで分解され、ブドウ糖として小腸から吸収されます。このブドウ糖からエネルギーを作る経路が「ブドウ糖回路」です。一方、脂質はトリグリセリドという状態から、脂肪酸とグリセロールまで分解された後に、ミセル化した状態で体内に取り込まれます。取り込まれた脂質は肝臓でケトン体という物質に変換された後、全身に運ばれてエネルギーとして使われます。これを「ケトン体回路」といいます。

人間の活動のエネルギーとしては、約1/3がブドウ糖回路から、2/3がケトン体回路から得ているといわれています。ブドウ糖回路は主に脳や目の網膜、赤血球のエネルギー源として使われ、特に赤血球はブドウ糖回路のみでエネルギーを得ています。

全身の筋肉や臓器の活動のエネルギーの多くはケトン体回路が主となっています。ケトン体の元となる脂質は全身の脂肪細胞で安全に貯蔵でき、さらにケトン体からはブドウ糖に比べ非常にたくさんのエネルギーを作り出すことが可能です。ですから人間の活動のメインのエネルギー源となっています。

ところが日常的に糖質を過剰に摂取していると、ブドウ糖回路を優先して働かせるようになっていきます。ブドウ糖は生体内で糖化反応を起こし、細胞を傷害してしまい、また貯蔵形態であるグリコーゲンも安定性は脂質に比べて悪く、あまり多く貯蔵しておくことができません。ですから糖質の過剰摂取が続くと、余ったブドウ糖を脂質に代えて貯蔵するだけでなく、エネルギー産生もブドウ糖回路優先になっていく半面、ケトン体回路が使われなくなっていきます。

ブドウ糖を脂質に変換することは簡単なのですが、脂質をブドウ糖に変換することはほとんどできません。ですからブドウ糖回路優先となっている人は、常に糖質を摂りたがり、特に甘い物を強力に欲するようになります。食欲自体も亢進し、常にブドウ糖不足にならないように体が求めるようになります。

このような人が糖質制限を行うと、ケトン体回路がうまく働けないため、ブドウ糖の供給不足からエネルギー不足が簡単に起こり、体調が悪くなってしまいます。糖質の過剰摂取が長く続いていた人が糖質制限を行うと具合が悪くなる人というのは、一つにはこのような原因があるのです。

こういう人の場合、糖質を急激に減らすことはできないので、ケトン体回路が十分に働けるようになるまで、徐々に糖質の摂取量を減らしていく必要があります。それでも砂糖のような甘みの強い糖質は、依存性の非常に高い麻薬のようなものですから、一気に止める必要があります。いずれにせよ、このような状態になる前に、糖質の呪縛から離れていくべきでしょう。
 (さとうながお)

長尾 周格氏のFacebookより

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