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働き盛りの世代が防災訓練に参加しないせいで

01.07.2015 · Posted in 震災復興

「車で避難したのは、子供や高齢者を抱える働き盛りの世代の家庭が多かった。地震後に避難を開始してから5分後には渋滞が発生した。」

「働き盛りの世代が防災訓練に参加しないのは、全国的な傾向だ。」

子どもたちは学校で避難訓練を受けていて、防災知識は子どもやその母親のほうがあるかもしれない。

それなのに、避難訓練に参加したこともない働き盛りの父親、一家の主が、間違った指示で家族をひっぱっていってしまう。

家族の主が、必要な防災知識がないと、家族全員が被害を受けてしまう結果に。

働き盛りでコミュニティの中心になりえる世代こそ、避難訓練に出て防災知識を身につけるべき。

【阪神大震災20年 常ニ備ヘヨ(中)】
「釜石の奇跡」継承できるか 避難訓練参加少ない働き盛り世代への啓発カギ 学校から地域「一体感」拡大(産経WEST 2015.1.3)

http://www.sankei.com/west/news/150103/wst1501030026-n1.html

 「釜石の奇跡」とは、岩手県釜石市の小中学生ほぼ全員の約3千人が、日ごろの防災教育・訓練の成果を生かし、東日本大震災の際、自主的に避難したことを指す。同市の小中学校では、津波や地震の知識を学んだだけでなく、各生徒が保護者と通学路などで避難路を確認し、小・中が連携したり、地域住民と連携したりしながら、避難訓練を行っていた。

 最新の平成26年版防災白書では、首都直下地震や南海トラフ巨大地震のように、公的機関の役割が著しく制限される広域災害に備えるため、住民が自主的に行う防災の「代表事例」として紹介されている。

 南海トラフ巨大地震で津波が想定されている太平洋岸の各自治体はもとより、日本海側でも、住民が主体となって校区単位の防災計画の立案を進めている北九州市や、中学校が中心となり、地域住民や自衛隊を巻き込んだ訓練を実施している石川県能登町の例がある。全国で「釜石の奇跡」を学ぼうとしている。

●33人のうち24人が車で避難

 南海トラフ巨大地震の想定で「津波高34メートル」が示された高知県黒潮町も釜石の事例に学び始めた自治体だが、昨年3月14日未明に起きた伊予灘地震(最大震度5強)の際、津波を恐れた沿岸部の住民が車でいっせいに避難した。

 避難の際に車を使用すると、渋滞を起こし、津波に巻き込まれる危険性が高いため、国の指針は原則禁止にしている。

 京都大防災研究所の矢守克也教授(災害心理学)がこの日の避難実態について同地区の町民を対象に行った調査によると「避難した」と答えた33人のうち実に24人が車で避難していた。

 その様子を目撃していた町職員や住民らによると、車で避難したのは、子供や高齢者を抱える働き盛りの世代の家庭が多かった。地震後に避難を開始してから5分後には渋滞が発生した。

 ほかにも、避難先の高台と自宅の間を何度も往復したり、渋滞を避け、他の避難場所を探したりするなど、混乱がみられた。

 黒潮町は、全職員を防災担当として各地域に配置、各世帯の「避難カルテ」をつくるほど徹底している。それでも、避難訓練に参加する働き盛りの世代の人は少ないのが実態だ。

●訓練知らぬ働き盛り世代

 働き盛りの世代が防災訓練に参加しないのは、全国的な傾向だ。

 内閣府が昨年公表した「防災に関する世論調査」(20歳以上)によると「訓練実施を知らなかった」と回答したのは約24%。4人に1人の割合で、20~30歳代が多かった。働き盛りの世代が災害時に対応を誤ると、家庭内の子供や高齢者も巻き込む恐れがある。

 こうした問題を解消しようと、黒潮町は新しい試みを始めた。前述の北九州市や能登町のように、学校での防災教育・訓練を土台に地域住民まで広がりをもたせようというものだ。子供が通う学校が舞台になると、働き盛りの世代である保護者も参加せざるを得なくなる。

 昨年10月31日に黒潮町で開かれた防災教育の検討会議で、釜石市を視察した教員らが報告。今後の目標として、東日本大震災の発生時、ほとんどの児童が下校していたにもかかわらず、全児童が避難した釜石小学校の事例を取り上げた。

 同小の事例について、アドバイザーの片田敏孝・群馬大院教授は「子供どうし、地域住民と子供が声をかけあい避難した。学校から地域に広がる仕組みを確かなものにする努力を継続していれば、町内に一体感が生まれ、いざというときに良い判断と行動を生む」と話している。

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