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菜食は老化が早い

03.20.2015 · Posted in food

植物は、動物や他の外敵から自分の成長や自分の防御のために、あらゆる植物栄養素や自然毒を保有している。

植物のえぐみや生で食べられなかったりするのは、そのため。

これらの植物栄養素は人間に毒になるものもあれば、人間に良い薬理作用を施す場合もある。

これらの通常の身体機能維持には必要とされないが、健康によい影響を与えるかもしれない植物由来の化合物を「フィトケミカル」と呼ぶ。イソフラボン、アントシアニン、リコピンなどがそれ。

これらが人間が不健康な時に薬理的に作用して、体調を改善することがある。

そのせいで、菜食主義に陥って肉を食べなくなる人がいる。

しかし、健康になっても菜食で肉も動物性油脂もとらなければ肌ツヤも悪くなり、髪もパサツキ、元気も出ない。

●菜食はなぜ老けるか
吉冨 信長氏のFacebookより
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=409558655891175&set=a.122416054605438.20617.100005111323056&type=1&fref=nf&pnref=story

この写真はFBのタイムラインで流れてきたものであるが、左の人は健康志向の厳格な菜食主義者、右の人は肉やバターそしてデザートを普通に食べる人のようで、どちらも同年齢ということである。もちろん、このようなネタは菜食への冷やかしや肉食至上主義的なアピールが根幹にあり、一例を大げさにとりあげて、注目をあびようとしているものであることは誰の目から見てもわかるだろう。

だからといって、この主張を完全否定できない。確かに菜食主義者で不健康な人が多いのも事実として見てきたからである。菜食主義者で多いのが、老化、しわ、色黒、やせ型または肥満型などの特徴である。しかし、彼らはほとんど自覚がない。むしろ健康的だと思っている。

菜食がなぜ老けるかを考える前に、なぜ彼らは菜食をはじめたのかを考える必要がある。

私は、巷でよく流行している〇〇〇食と〇〇〇ダイエットというものについて、その内容を参考にしても、基本的には信用していない。なぜなら、それらの提唱者の多くが「元病人」であるか、現在も疾患中の人だったりするからである。糖質制限などよい例である。

私は今まで病気をしたこともなく、アレルギーもアトピーもない。(虫歯の経験はある。)なぜそんな私がわざわざ大病を患った元病人が推奨する食事方法の話を聞いて実践する必要があるだろうか。むしろ逆である。現代社会において普通の食生活をしてきたにもかかわらず病気をほとんどしてこなかった健康な私にこそ、彼らは話を聞いてくるべきであり、参考にするべきである。

ジャンル・カルマンという122歳まで生きたフランス人女性はタバコ好きのヘビースモーカーであり、さらに甘いもの好きであった。しかし、そんなジャンルはほとんど病気もなく、フェンシングを85歳から始め、100歳まで自転車に乗っていたという。最後は老衰のために死去したが、大往生であったようだ。決してストイックにあらず、この近代社会を楽しんで生きていたジャンルの極意こそ、私は知りたいと思ったりもする。(長生きが目的や答えではないが。)

話しを戻すが、菜食者のほとんどがもちろん、もともと菜食をしていたのではなく、あることをきっかけにして菜食に入ったのである。それは宗教であったり、動物愛護であったり、さまざまである。特に多いきっかけは、比較的若い時に病気を患ったことに関係している。病気を患い、医者にも見放されてしまうと、当然人は絶望に陥る。それでも、生きる希望を持って、あきらめずに回復の探求に走った場合、ある食事療法に最終的にいきつくのであろう。

人は古来より植物を利用して病気に対抗してきた。薬草という言葉があるように、草、樹皮や果皮などを煎じて処方してきた。現代の病気は食生活や生活習慣が大きく起因しているとされ、ファーストフードや甘いお菓子などが原因にかかわっているとされる。特に欧米食への移行が病気をもたらしたとする風潮が根強い。そこで、食事指導者は不摂生な食事をやめさせ、ここで菜食をすすめるのだ。なぜなら、菜食であらゆる病気(がんなど)から回復したという実績をもっているからである。

植物は自分の成長や自分の防御のためにあらゆる植物栄養素や自然毒を保有している。これらの植物栄養素は人間にとって毒なものもあれば、偶然にして人間に良い薬理作用を施すものもある。薬理作用とはクスリの働きのことである。現代ではこの栄養素をフィトケミカルといっている。フィトケミカルは人間にとって必須栄養素でもなく、人間が生きていく上で必要な生理作用を施すものでもない。しかし、人間が不健康な時に薬理的に作用することがあるのだ。

人間の体から金属を排出させるキレート作用、酸化した部分を還元して細胞を蘇らせる抗酸化作用、腸における毒素を排泄させる水溶性食物繊維、イソチオシアネートのような有機硫黄化合物を利用した解毒作用など、フィトケミカルは人間が不調の時に体を正常に戻す働きがある。

菜食をすることで動物性のエネルギー摂取を控え、解毒や抗酸化に集中させる。そして、これらのフィトケミカルが汚れた体にうまく作用するのだ。また、植物性食品にはビタミンCが多く含まれているため、抗ガン作用なども働くことだろう。こうした薬理作用により患者は奇跡の回復をとげるのである。

奇跡の回復を遂げた患者は、心からこの治療食に感謝し、それを盲信するようになる。本来ならここで、今までの生活習慣を見直し、通常の食生活に戻ればよいのだが、菜食のおかげで健康になれたのだから、今後も菜食することで健康を保てるという錯覚を起こしてしまう。

そうするとどうなるか。健康体にとってフィトケミカルはかえって毒素のように働いてしまう。抗酸化作用があるとしてほとんどの人が盲信しているポリフェノールは、実はミネラル分の吸収を阻害する。フィチン酸は体の余計な金属をキレートする一方、常食すれば体に必要な金属までキレートしていく。植物ステロールは人間の体内にあるコレステロールをとってしまい、細胞の形成に大きな影響を及ぼしてしまう。同時にホルモン代謝にも影響を与え、ホルモンバランスが崩れる。界面活性作用のある豆類によく含まれるサポニン、常在菌を殺してしまうアリシンなどあげればキリがない。その他、いまだ同定できない微量成分が人間の体に悪さをしていることもよくある。

エネルギー源は糖質主体になり、低たんぱく・低脂質で、エネルギー効率が悪くなり、疲れやすく、老け込んでいく。エネルギー不足に陥り、体は糖質を必要以上に求め、次第に甘いものを求めるようになる。

食事でのタンパク源は大豆中心になり、脂質は植物油を求める。大豆にはフィチン酸をはじめとしたフィトケミカル、植物油は酸化による過酸化脂質の問題や微量成分の問題、そしてリノール酸摂取過剰になる。これらにより身体は慢性炎症および栄養不足になり、体調を崩していく。

また、消化不良の問題も出始める。過剰な不溶性食物繊維によって栄養吸収や代謝が悪くなり、便秘に陥ることもあるだろう。

以上、極端な事を書いてあるように思えるかもしれないが、現実ありえると思うし、何人かそういう人も見てきた。それはやり方が悪いからだと指摘する人もいるかもしれない。しかし、人間は宗教的政治的な介入があるまで、肉食で進化を遂げ、雑食で生きてきた歴史がある。

極端な菜食は人間の食性を考えればやはり不自然である。しかし、健康的で肌に色ツヤあって楽しく生きている菜食者もいるのも事実だ(虫歯のことまではわからないが)。それでもやはり不健康そうな菜食者も多いことも私は実感している。

フィトケミカルという薬理作用を下手に使うと、かえってあなたの体を害してしまうことになる。

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